会見リポート
2006年10月13日
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小池百合子・首相補佐官
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会見リポート
安倍首相分身の力量
榊原 元廣 (共同通信編集委員)
小池百合子首相補佐官は5人の中ではただ一人の閣僚経験者で、いわば筆頭補佐官というところだろう。担当も北朝鮮の核実験を受けて政権にとって緊急重要課題の国家安全保障問題担当。それだけに小池補佐官の気負いが記者会見の中からもよく伝わってきた。
安倍首相から①首相を補佐し、首相への助言を与える②日本版NSC(国家安全保障会議)創設─の任務を言い渡された。早速、訪米し、安全保障担当のハドリー大統領補佐官と会談し、NSCづくりへのアドバイスをもらったという。
米国とは制度が異なる日本で、大統領府に対応できる官邸機能強化ができるか、閣僚と補佐官が両立するのか、誰もが危ぶんでいるのが実情だろう。それをものともせず小池補佐官は「私はラインではないので、一歩引いて、しかし全体を眺め渡せることが必要だ」「省益を超えた国益の戦略強化の下地づくりが役割」と、突き進む姿勢は明確。
しかし北朝鮮に対する制裁といった各論対応になると、貨物検査については「この時点での判断はしづらい」「こうあるべきと申しあげるのは不適当」と、歯切れが悪くなった。ことの性質上慎重姿勢が求められるとはいえ、訪米中には「安倍首相の分身に」とまで公言した小池補佐官としては物足りない。
10月9日の北朝鮮の核実験で官邸に駆けつける際も「お化粧に若干時間をかけて」出掛ける小池補佐官の落ち着きぶりは特筆に値する。
ゲスト / Guest
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小池百合子 / Yuriko Koike
日本 / Japan
首相補佐官 / Special Advisor to the Prime Minister