2006年09月06日 00:00 〜 00:00
ジェームズ・D.ケリー・在日米海軍司令官

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会見リポート

自衛隊との“親友関係”強調

今里 義和 (東京新聞論説委員)

北朝鮮が7月5日にテポドン2号などミサイル7発を相次いで日本海水域に発射した後、北東アジアにおける危機の抑止は、日米両国にとっていっそう深刻な問題となった。

米国防総省は9月1日、大気圏外を飛行する弾道ミサイルを、地上配備の迎撃ミサイルで撃ち落とす実験に成功したと発表。これに先立つ8月16日、神奈川県は、2008年に米横須賀基地に配備される予定の原子力空母「ジョージ・ワシントン」について、受け入れを表明した。

ケリー司令官の記者会見は、日米同盟が緊密の度をいっそう強めつつある時期に行われた。

ケリー司令官は、日米同盟の確かさをめぐっては「どのような協定でも、最大限の効果を発揮するには関係個人間の信頼関係がものを言う」と前置きしたうえで、自衛隊のカウンターパートとの間に親友と言える関係がある事情を強調。在日米海軍の規模について「結構大きな力だと思っている」と自信を示した。

一方、ケリー司令官は、中国海軍の動向については「人民解放軍は、増強する兵力を何に使うつもりなのか、透明度が足りない」と懸念。中国に説明責任の自覚を注文した。

少し緊張させられたのは、インド洋で海上自衛隊が米海軍に行っている給油支援に謝意を表明した場面。ケリー司令官は「アフリカの角をめぐる活動にも大きな貢献となった」と説明したが、給油支援を可能にしているテロ特措法は、9・11テロ事件に対応し、「国連憲章の目的達成のための諸外国の活動」を主に支援の対象としているので、アフリカにおける活動に対する支援の可否はやや微妙かも。現場の密接な関係は十分に理解できたが。

ゲスト / Guest

  • ジェームズ・D.ケリー / James D Kelly

    アメリカ / USA

    在日米海軍司令官 / Commander, US Naval Forces, Japan

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