2006年08月10日 00:00 〜 00:00
河野太郎・衆院議員

申し込み締め切り

会見リポート

河野一族の反骨精神

浅川 博忠 (山形新聞客員論説委員(東京駐在))

「本日は法務副大臣としてではなく総裁選出馬希望者としてお越し願いました」との司会者の言葉で、ゲスト本人も含めて会場が爆笑するなかで、和やかな雰囲気で会見が始められた。

この日も5月11日の出馬表明以来、持論としている7%の消費税を財源とする国民年金制度の導入を強調。これを1階部分として、任意の積立式を2階とする抜本改革の実現で、財源不安や未納問題も生じないし、社会保険庁も不要になると自信満々に語ってみせる。

「現状の年金制度を是とする安倍候補は間違っているから、総裁選で対決したい」と何回か述べつつ、「自分が当選すれば安倍氏とは異なり、中道左派の票も国政選挙などで取り込める」と語り、安倍氏を牽制?

会見当日には額賀、山崎両氏の不出馬が確定的となり、ますます安倍氏が圧倒的な勝利を収める可能性が強まっている。それにもかかわらず大本命・安倍氏に対抗しようと欲する毅然とした姿勢と心意気。

ここに絶対権力者の佐藤栄作氏に逆らい新党旗揚げをもくろんだ一郎氏と、同様に田中角栄氏に刃向かい、「新自由クラブ」結成に走った洋平氏と三代にわたって、脈々と受け継がれる“河野一族”の反骨精神をあらためて感じられよう。

だが、祖父、実父は世論の喝采を浴びる反面、戦略的な無謀さが起因して自滅する側面があった。肝心の20人の推薦人に関しては「8月23日以降に明白になる」とかわした。

しかし、結果は残念ながら出馬不可能に至った。今回の孤独な出馬騒動に対して、単にマスコミの注目を得るためのゲーム感覚のみでのスタンド・プレーとの批判を浴びなければよいが……。会見では外交、教育問題にも言及。ここへの活発な質問が出たのも救いであった。

ゲスト / Guest

  • 河野太郎 / Taro Kono

    日本 / Japan

    衆院議員 / a member of the House of Representatives

ページのTOPへ