2006年08月07日 00:00 〜 00:00
山崎拓・自民党前副総裁

申し込み締め切り

会見リポート

やはり出馬しませんか

井芹 浩文 (共同通信論説委員長)

山崎拓氏が注目されたポイントは二つだった。靖国神社問題と自民党総裁選だ。代表質問者の高橋氏によると、山崎氏は、今回は前者の立場だけに限らせてほしいとの要望があったという。

そこで、まずは山崎氏が会長の「国立追悼施設を考える会」の報告書をたんねんに説明。靖国神社には①外国の要人が訪れる無名戦士の墓がない②天皇陛下が30年以上、参拝していない③A級戦犯合祀問題で中国、韓国の強い批判が出ている④祭られる祭神として戦後の国事に関連して亡くなられた人を含められない―などの限界があると指摘した。

そのうえで「靖国を超克した追悼施設が必要」としたが、他方「靖国は靖国としてあり続ける」。ただ、これらの部分にはニュースがない。

おや、と思ったのは、靖国神社側がA級戦犯の分祀は教義上できないとしている点に関連するが、山崎氏が指摘した「小野田寛郎さんは名簿に入っていたが、生存者だったので名簿を消している」という事実。真偽を確かめなければならない。

これだけで終わったら会見出席者が満足するはずがない。聞きたいのは自民党総裁選のこと。山崎氏の要望は要望として、質問者としても総裁選への出馬意思の有無をたださざるを得なかった。

「この決断は、本当にいたしておりません。立つことに意義があるとは考えにくい。オリンピック精神とは違う。立つ以上は国家的意味がないと立てない。大義名分がないと立てない」

やはり総裁選には立候補しないか。そう感じた十日後に不出馬を表明した。このままでは「一強二弱」の消化試合に終わりそうだが、ゲームを盛り上げるためだけに出るなんてことは山崎氏の主義に反することに違いない。

ゲスト / Guest

  • 山崎拓 / Taku YAMASAKI

    日本 / Japan

    自民党前副総裁 / Member of the House of Representative

ページのTOPへ