2006年08月02日 00:00 〜 00:00
マルティネス・ファンスカルクビック・南アフリカ環境・観光相

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会見リポート

アフリカ初のW杯への意気込み

田中 寛 (共同通信外信部)

ワールドカップ(W杯)ドイツ大会の熱気と興奮の余韻が残る8月2日。次期大会開催国、南アフリカのファンスカルクビック環境・観光相には、早くも2010年の大会に向けた治安や準備面での不安点を指摘する質問が相次いだ。

「100%スケジュール通り。(準備は)着々と進んでいる」。同相にとって、予想はしていただろうが厳しい会見だったかもしれない。そんな中でも決して感情的にならず、一つずつ丁寧に答える姿に、誠実な人柄と、大会成功への並々ならぬ気合いが見てとれた。

南アには既に1995年のラグビーW杯や、2002年の環境・開発サミット開催の経験がある。同相は「ラグビーW杯が開かれたときも、アフリカの国で大きな大会ができるのかとの声があったが、ふたを開けると大成功だった」と指摘。「アフリカ大陸として、どこにも負けず、ちゃんと主催国になれることを身をもって示すしかない」と述べ、アフリカ初のサッカーW杯開催への意気込みをにじませた。

多発する凶悪犯罪については、背景にある貧困削減のため雇用確保が必要と指摘。警察予算を増やすなどの対策を取っているとした上で「重大犯罪の率は減る傾向が示されている」と自信を示した。

成功を収めたドイツ大会と比べても「進ちょく状況は順調」と言うが、一方で、貧弱な公共機関や多発する凶悪犯罪になお不安を感じる関係者が多いことも事実だ。宿泊施設の不足も指摘されている。

大会まで4年。この美しい国の「W杯開催能力」に、ファンらが全幅の信頼をもつようになるには、これから2、3年で同国がいかに「実績」を世界に示せるかにかかっている。

ゲスト / Guest

  • マルティネス・ファンスカルクビック

    南アフリカ / Republic of South Africa

    環境・観光相

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