2006年05月30日 00:00 〜 00:00
スリランカ和平支援会議共同会見

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会見リポート

紛争当事者への強いメッセージ

砂田 浩孝 (共同通信外信部)

スリランカ政府と反政府武装勢力「タミル・イーラム解放のトラ」(LTTE)の戦闘が激化している。4月以降、計200人以上が死亡、2002年の無期限停戦協定は崩壊の危機にある。こうした状況の中で5月30日、スリランカ和平を支援する日本、米国、欧州連合(EU)、ノルウェーの四者会合が東京で開かれ、各代表が記者会見した。

「02年以降、スリランカ情勢は最悪の状態」(明石康・日本政府代表)「全面的な戦争の恐れがある」(ソールハイム・ノルウェー国際開発相)と、各代表は厳しい現状認識を示した。

明石代表は、03年のスリランカ復興開発東京会議で決めた4年間で45億ドル超の支援について「これまで約34億ドルが使われた。双方が平和の道を尊重するなら、さらに応分の資金援助を考える」と表明したものの、戦闘が激化している現状を踏まえ具体的な増額規模は示さなかった。

四者の代表は、和平実現をなし得るのはスリランカ人自身であり、スリランカ政府とLTTEの両当事者だと強調。特にLTTEに対しては「(テロなどの)暴力行為を即座に放棄すべき」(バウチャー米国務次官補)との強いメッセージを発した。

折しもこの日、EUがLTTEの域内資産凍結を決定。EUを代表する立場にあるオランダのファンダイク駐スリランカ大使は、決定は正式なものではないとした上で「(制裁により)EUがLTTEに影響を及ぼすのは難しい」と述べ、LTTEを早期に和平交渉のテーブルに着かせるのは困難との見通しを示した。


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