2006年05月24日 00:00 〜 00:00
ブルース・ライト・在日米軍司令官

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会見リポート

自衛隊との一体化を強調

石川 達也 (沖縄タイムス東京支社編集部長)

自信に満ちた表情と語り口は、厳しい環境の中で生きてきた他の軍人たちと共通する。過去、在沖米軍のトップにあたる四軍調整官(海兵隊中将)や米海兵隊総司令官(大将)を取材する機会に恵まれたが、いずれも自らの組織の素晴らしさをアピールし、東アジアでの平和と安定に貢献している、と胸を張る。

この日は在日米軍のトランスフォーメーションが日米政府間で合意した直後だっただけに、発言が注目された。ライト氏が強調したのは「自衛隊との密接なパートナーシップの構築」。自衛隊との協調は在日米軍を効率的に運用する上で、避けられない長年の課題だった。情報の共有、共同訓練の強化が図られることは、望ましい結論が導き出されたということだろう。

ライト氏は、再編で周辺住民の負担軽減につながるとも指摘したが、沖縄の県民からはどう映るか。

日米合意への評価は一様ではないが、先の2プラス2で日米の閣僚が浮かべた晴れがましい表情とは距離があるというのが事実だろう。

懸案の普天間飛行場は県内移設。嘉手納飛行場から南の施設返還は普天間移設の可否が左右する。ほとんどはSACOで返還が合意されていた施設であり、条件が付いたことでかえって返還への道のりが遠のく、との見方もできる。

さらに、ライト氏が評価する自衛隊との一体化も懸念材料である。県内で陸上自衛隊が米軍の訓練研修を受けていることが明らかになり、年内から共同訓練も可能になった。

仮に今後、在沖海兵隊のプレゼンスが減った場合でも、その穴を自衛隊が埋める形となれば、県民が求める真の意味での負担軽減とは程遠い結果になるだろう。

ゲスト / Guest

  • ブルース・ライト / Bruce Wright

    米国 / USA

    在日米軍司令官 / Commander, United States Forces Japan

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