2006年05月23日 00:00 〜 00:00
足立信也・民主党参院議員「社会保障(11)医療制度改革」7

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会見リポート

崖っぷち日本の医療は救えるか

塩見 戎三 (産経新聞出身)

今国会での医療制度改革関連法案の与野党の攻防をみていると政府・与党が押され気味である。具体的には健保法改正案と医療法改正案だが、ポイントは少子高齢化や医療、介護需要の増加から財政的に行き詰まった制度全体の立て直しにある。どうするか。要は患者負担の増加か公費の投入か、医療、介護報酬の合理化か、簡単にいえばそのへんしかあるまい。

民主党は「10年程度かけて諸制度を根本改革する」という。対案としてまず「命の値段は削れない」として「医療の安心・納得・安全法案」を出した。

患者の知る権利や自己決定権、医療事故の原因究明体制がどこまで守られているか。例えば「薬や医療機器の価格にしても国立病院のほとんどは公定価格で買っている。民間病院の3倍だ」と指摘する。「これは大きな無駄。こうした官民格差、内外格差、国際価格と比べてみれば一目瞭然」と裏の事情を明かす。

足立氏は2年前まで診療現場にいた消化器の外科医。その前は筑波大の助教授である。論理明快、あれこれ現場体験のトピックも多く、話の内容は硬軟起伏に富む。「国民医療費の政府推計にしても現在32兆円、20年後65兆円はこれまでの実績からして信を置けない」とする。

なぜかといえば「94年の推計値はなんと141兆円。97年は104兆円、00年は81兆円、02年は70兆円、04年は69兆円、05年は65兆円まで落ちてきたからだ」。民主党の推計値は15年30兆円、25年34兆円だそうだ。

二つ目の法案は「がん対策基本法案」だ。遅れをとった自民党が5月下旬まで民主党案をいわゆる“つるし”状態にしておいた。

三つ目は「小児医療緊急推進法案」。現在、医療体制の偏在は産科、小児科にあるのはだれの目にも明らかだからだ。

ゲスト / Guest

  • 足立信也 / Shinya Adachi

    民主党参院議員 / Member of the House of Councillors

研究テーマ:社会保障(11)医療制度改革

研究会回数:7

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