2006年04月05日 00:00 〜 00:00
片山虎之助・参院自民党幹事長

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会見リポート

通信放送「6月決戦」を前に気炎

中村 文陽 (読売新聞メディア戦略局)

この日は、自民党で通信及び放送政策のかじを取る「通信・放送産業高度化小委員長」として登壇した。

党内きっての実力者が小委員長を兼務するのは、初代総務相という片山氏の肩書以上に、いわゆる「竹中懇」へにらみをきかせるためである。

竹中総務相は今年1月、松原聡・東洋大教授を座長に据えた非公開の私的懇談会を設置し、通信と放送に関する法制度と業界の改変に着手した。橋本元一・NHK会長、和田紀夫・NTT社長らに対するヒアリングを終え、5月には答申を出す方針。竹中総務相は答申内容を、6月の「骨太の方針」に盛り込む構えだ。

一方片山幹事長も、年明けから月2、3回のペースで小委員会を招集。こちらも通信・放送事業者に対するヒアリングを終え、意見集約に着手した。竹中懇の答申をめぐる、来るべき論戦に向け、党としての理論武装を進めている構図が俯瞰できる。

片山幹事長の昼食会は、この構図を色濃く反映したものとなった。

竹中懇については、「制度、法律を変えるのは、手の届く話ではない。政府与党がどう考え、国会をどう通すかだ」と強調。松原座長についても「懇談会メンバーになると、天下の三分の一は取ったような顔をする。謙虚でなければ」と厳しく批判した。

返す刀で、民放についても「低俗番組が相当ある。自粛の仕組みが機能しているのか」と指摘した。

技術の進歩で、通信と放送の垣根は低くなった。放送と通信の違いは、番組内容に「公共性」という十字架を背負うか否かのみとも言われる。道を踏み外せば、放送はその存在意義を失う──との警告に聞こえた。

自治官僚出身でありながら、良い意味で「うるさ型」の党人とされる、片山幹事長の面目躍如だった。

ゲスト / Guest

  • 片山虎之助 / Toranosuke Katayama

    参院自民党幹事長 / the Secretary‐General of the Liberal‐Democratic Party

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