2006年03月09日 00:00 〜 00:00
朴槿恵・ハンナラ党代表

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会見リポート

気品と芯の強さ

上村 武志 (読売新聞論説副委員長)

来年暮れの韓国大統領選に向けて、韓国政治が動き始めている。最大野党であるハンナラ党の代表として、女性ながら、次期大統領の最有力候補の一人と目されている。

「21世紀における韓日関係の新しいビジョン」と題したスピーチは、自ら推敲を重ねて準備したという。

「いまだに過去に縛られ、広大な未来に進めずにいる」日韓関係の将来のために、「20世紀の不幸な過去を乗り越え、21世紀の新しいビジョンが必要だ」と切り出した。

課題として挙げたのが、文化・人的交流、経済、安全保障の3分野での交流と協力の拡大、深化だ。

小泉首相と盧武鉉大統領との首脳間対話の目途も立たず、政治的には冷えきった日韓関係を打開したい。そんな強い意欲が伝わってきた。

だが、現在の日韓関係にはハードルがある、と言う。歴史問題、直接には靖国神社参拝問題だ。

首相の靖国参拝問題には、「隣国の国民感情に配慮し、他の成熟した方法を模索する必要があるのではないでしょうか」と、やはり、反対の姿勢を明確にした。

気品のある笑顔、穏やかな語り口が聞き手を和やかな空気に誘う。それでいて、芯の強さを感じさせる。

父の朴正煕大統領、そして母も非業の死を遂げた。自ら「波乱万丈の人生を歩んできた」と言う生い立ちのゆえだろうか。

儒教社会の韓国で、女性であることが、大統領への道に立ちはだかる壁とはならないのかどうか。そんな懸念にきっぱりと答えた。

「男性か女性かではなく、どれだけ問題を解決していく能力を持っているかを見て、リーダーを選択すると思う」

並々ならぬ意欲がうかがえた。

ゲスト / Guest

  • 朴槿恵 / Park Geunhye

    韓国 / Republic of Korea

    ハンナラ党代表 / Secretary-General of Saenuri Party

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