2006年03月06日 00:00 〜 00:00
山崎拓・衆議院議員

申し込み締め切り

会見リポート

在日米軍問題と政局の主導権

島田 敏男 (NHK解説委員)

「政局」の本来の字義は「さしあたっての政治情勢」だが、この人が登場すると「永田町権力闘争」という意味になる。ようやく東京に春一番が吹いた日の昼下がり、9月の自民党総裁選をにらんで、どこまで踏み込むかが注目点だった。

しかし山崎氏は慎重居士で、1時間のスピーチは在日米軍再編、サマーワの自衛隊撤収など自民党安保調査会長としての課題に終始。総裁選に的を絞った質問も「自分が立候補する、しないも含め、会長を務める近未来政治研究会が7月にポスト小泉の政策を発表してから考える」とかわした。ただ、持ち前のサービス精神は健在で、ポスト小泉の条件は?の問いに「経験なき知識は、知識なき経験に劣る」と応じ、急激な世代交代に警戒感を抱く党内ベテラン議員の本音を代弁した。

現段階では、様子見に徹するのも無理はない。小泉政権の最後の大仕事と目されている在日米軍再編が、関係する地元自治体の反発で壁につきあたっているからだ。日米両政府は、沖縄の普天間基地を名護市のキャンプ・シュワブ沿岸地域に移設する計画で合意しているが、沖縄県は受け入れを拒んでいる。山崎氏は「最終的には小泉総理と稲嶺知事とのトップ会談で決着するものと思う。ただ、二人とも安易な妥協はしないので、十分な事前調整が必要だ」と述べた。「それができるのは自分しかいない」というアピールにほかならないが、状況は依然として厳しい。

日米同盟最優先の小泉路線を支えてきたのは山崎氏である。その日米同盟でつまずけば影響力は低下するが、うまくいけば力は増す。在日米軍問題の行方が、ポスト小泉政局で主導権を握ることができるかどうかと無関係ではなさそうだ。

ゲスト / Guest

  • 山崎拓 / Taku Yamasaki

    衆議院議員 / Member of the House of Representatives

ページのTOPへ