2006年02月21日 00:00 〜 00:00
フランク・シュタインマイヤー・ドイツ外相

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会見リポート

G4案への再参加求める

小谷 守彦 (毎日新聞外信部)

シュレーダー前首相の懐刀として政権中枢を仕切りながらも、存在感のある前首相や前外相の間で目立たなかったのが就任当時のイメージだった。だが今やイラクのドイツ人拉致事件やイランの核開発問題で、ドイツでは連日メディアに登場し、注目の人である。訪日には約20人のドイツ人記者団が同行した。

シュタインマイヤー外相はイラン核問題で精力的に動き、ロシアや中国を巻き込んだ包囲網作りに一役買った。先日ミュンヘンで行われた安全保障会議では、世界の安全保障にロシアの協力がいかに重要かについて熱弁をふるった。外相の外交論は明確だ。多国間外交を基本に据え、欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)内の協力関係を高め、さらにそうした枠組みにロシア、中国を招き入れる。自国の安全保障は、周辺国の安全保障であり、さらに世界の安全保障を組み立てていくという広がりのある考え方だ。

だが今回、外交について多くは語らず「21世紀の日独関係~新たな課題に向けたパートナーシップ」と題して会見した。税制改革や少子高齢化など日独に共通する課題は多く、日本と手を携えたいという。外交論は一カ所だけ登場した。ドイツなど3カ国が日本抜きで再提案した国連安保理改革に関する「G4案」の一件についてである。

外相はG4案を「最も現実的なアプローチ」と言い、日本に再参加を求めた。だが、会見に続く会談で日本側は要請をあらためて拒否した。最近のドイツ誌インタビューで、自らの目標をドイツ統一に貢献したゲンシャー元外相であるとし、平和外交のためなら激務をいとわないと言い切ったこの人物。日本はどう付き合っていけるだろうか。

ゲスト / Guest

  • フランク・シュタインマイヤー / Frank-Walter Steinmeier

    ドイツ / Germany

    ドイツ外相 / Foreign Minister

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