2006年01月27日 00:00 〜 00:00
片山善博・鳥取県知事

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会見リポート

「霞が関改革」を力説

豊田 宰 (共同通信内政部長)

自称「原理主義的分権論者」。だからだろう、権益拡大に腐心する中央省庁のリストラを構造改革の一番手に挙げた。

当然、三位一体改革への評価も手厳しい。国から地方に3兆円の税源移譲が決まったものの、「自治体の自主性拡大につながる改革は皆無に近い」と一刀両断。「公共事業費など地方が本当に欲しい補助金は温存され、義務教育費や児童手当など欲しくもない義務的経費が地方に押しつけられた」と不満を吐き出した。

鳥取県の税収は年間5百億円に満たない。それなのに三位一体改革のあおりで一般財源が3百億円も減ってしまったという。「どさくさ紛れに地方財源が大幅に削減された。東京都には改革の恩恵があったかもしれないが、貧乏県にとってはマイナスだ」。自身が旧自治省の出身だけに、霞が関のからくりは手に取るように分かるに違いない。

分権推進に向けた次のポイントとしては地方交付税の見直しを指摘した。交付税は「自由に使えるカネ」として自治体側が絶対維持を訴えている制度。しかし本来の財政調整機能としての役割が薄れ、政策誘導の道具に使われるようになってきた。「これまで政府は地方債との組み合わせにより、交付税を先食いするかたちで景気対策などに充てるよう奨励してきたが、これが今日の自治体破たんにつながっている」。交付税を透明で分かりやすい仕組みに変え、政府によるご都合主義的な使い回しを断つべきだと言葉を強めた。

霞が関改革には政治のリーダーシップも必須。「ところが最近は国会議員が中央省庁の役人を家庭教師にしている」と嘆く。地方からの新風で官僚天国ニッポンを吹き飛ばしてもらいたい。







ゲスト / Guest

  • 片山善博 / Yoshihiro Katayama

    日本 / Japan

    鳥取県知事 / Governor, Tottori Prefecture

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