2006年01月20日 00:00 〜 00:00
嶋中雄二・UFJ総研投資調査部長「経済見通し」4

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会見リポート

20年ぶりに“陽はまた昇る”

土肥 一忠 (個人会員(時事通信出身))

エコノミストに経済見通しを語ってもらうと、大体が二派に分かれる。持って生まれた性格なのか、あるいは後で身に付けた物の見方なのか。いずれにしても楽観論者は悪材料が多くても明るい見通しを語り、悲観派は逆である。

例年、新年の経済見通しでも最も高めの成長を予測するグループに入る嶋中氏はもちろん、強気派と言って良い。この日も、よどみのない「1分間に60語」の快調なペースで約1時間15分。グラフ、図表等がぎっしり詰まった56ページの資料をもとに、(1)2001年1月に始まった現在の景気回復は少なくとも今年11月まで続き、戦後最長だった「いざなぎ景気」の57カ月を超える(2)07年はいったん景気がやや後退する(3)しかしその後は再び上昇局面を迎え、「日本に『陽はまた昇る』時代が20年ぶりにやってきた」と、力強く言い切った。

自ら「大胆」と言う嶋中レクによれば、日銀は5月ごろに量的緩和政策を解除し、さらに10月あたりにゼロ金利も撤廃するらしい。ただ量的緩和解除もせめて年度下期まで待ったほうが回復をさらに持続させられるはず、というのが同氏の意見だが、それでも戦後最長の景気拡大がまず間違いないのは、設備投資、輸出の増加に加えて住宅着工、個人消費も上向いてくるからだ、という。

ともあれ「いざなぎ」超えは9月の自民党総裁選後。「小泉改革の成果」と大威張りされなくてホッとした、というのは個人的感想である。

ゲスト / Guest

  • 嶋中雄二 / Yuji Shimanaka

    日本 / Japan

    UFJ総研投資調査部長 / Manager of Investment Research Department, Mitsubishi UFJ Research & Consulting Co., Ltd.

研究テーマ:経済見通し

研究会回数:4

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