2005年12月07日 00:00 〜 00:00
枝野幸男・民主党憲法調査会長「憲法」3

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会見リポート

2大政党「共通の土俵」を強調

井芹 浩文 (共同通信論説委員長)

「心ならずも調査会長をやっているが、右からは『左だ』と言われ、左からは『右だ』と言われる。選挙にも役立たない」と切り出したものの、だからと言って党の憲法問題の責任者の立場から逃げる気はない。質疑を含めて枝野節は快調だった。

憲法をめぐる政治情勢は流動的だ。05年は衆参両院の憲法調査会が最終報告書を提出し、自民党は新憲法草案を、民主党は憲法提言をそれぞれ発表するという節目の年だったが、 世論の盛り上がりはいまひとつ。

民主党の腰も定まっているとは言えない。他の小さい政策課題だと鋭い問題提起もあるが、大きな課題になると寄り合い所帯の弱点が出てきてしまう。憲法問題がその典型だ。旧所属政党の殻を引きずっていてまとまらない。

しかし、枝野氏は「党内で苦労していることは否定しないが、9条についてほぼ共通の認識ができつつある」と楽観的だ。その楽観主義はどこから来るのか。

「憲法改正では、自己主張を徹底的に抑えなくてはならない」と説く。このときは自民党に対して言っていたのだが、この原則を党内に適用すれば折り合いがつくとの見方につながるのだろう。

その目はむしろ党内より自民党に向いている。「2大政党で共通の土俵となる憲法を作らないといけない」と呼び掛けた。憲法改正の成否は自民党との呼吸次第と言いたげだった。

改憲実現の見通しについては「簡単なところからなら早ければ3年くらい」とし、9条部分については「コンセンサスができるよう工夫すれば5年くらい」とした。これも少し楽観的に過ぎるように思えたが…。

ゲスト / Guest

  • 枝野幸男 / Yukio Edano

    日本 / Japan

    民主党憲法調査会長 / Chairman, Deliberative Council on the Constitution

研究テーマ:憲法

研究会回数:3

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