2005年11月16日 00:00 〜 00:00
町田勝彦・シャープ代表取締役社長

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会見リポート

山田 伸二 (NHK解説主幹)

激戦が続く電機業界で「勝ち組」に数えられるシャープ。「競争が厳しい分チャンスも多い」と言う町田社長は、好調な業績を背景に自信満々、明快に経営方針を話した。

キーワードは「オンリーワン経営」。松下やソニーといった大企業とごして「ナンバーワン」を目指すには力不足だから、専門分野で頑張って経営基盤を作り上げようというわけだ。そして、液晶等で確固たるトップの座を築いた。「オンリーワン」実現のため、選択と集中、会社のビジョンを明確にして社員を一つのベクトルに向けること、そして、日本で物づくりをするという3つの戦略をとったと説明。具体例を含んだ話は興味深いものだった。

感想は2点、第1に町田さんの話が分かりやすかったこと。コミュニケーション能力が高いからだと片付けられそうだが、じっくり考え抜かれた上の話だからこそ、分かりやすく説得力があるのだろう。

第2に、自社の技術を大切にしてきたこと。バブル崩壊後日本経済がどん底に突き落とされた時、逆境でも史上最高の利益を出し続けた企業ばかりヒアリングしたことがある。共通点は、自分の会社の得意な技術を徹底的に追求して高度化し、同時にその技術を最大限活用して仕事の領域を増やすことだった。要するに、愚直に真面目にやったというわけだ。

シャープは、シャープ・ペンシル、電卓と、世界に先立って新製品を出し続けるなど挑戦的で、町田さんも「ひとと違ったことをやれ」と言うが、根っこの精神はこういうことだ。今の時代、当たり前のことを当たり前にやることがどれだけ大変なことか。愚直に進み、実績をあげた会社を見るとホッとする。


ゲスト / Guest

  • 町田勝彦 / Katsuhiko Machida

    シャープ代表取締役社長 / President Chief Executive Officer

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