会見リポート
2005年10月12日
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岡部信彦・国立感染症研究所感染症情報センター長「インフルエンザ」
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会見リポート
新型ウイルス出現阻止は不可能
前野 一雄 (読売新聞医療情報部長)
「出現阻止は不可能。大流行に向けて導火線に火がついた状態であり、健康被害を最小限に抑えるかは事前準備にかかる」と、わが国の感染症監視役の総元締として警鐘を鳴らす。
実際、その原型と見られる鳥インフルエンザがベトナム、タイ、インドネシアなどで高い致死率を示し、国内の養鶏場でも大規模な封じ込め対策が強いられている。
目下のところ、鳥からの感染だが、今後、人から人への感染経路が現実化したら……。蒸気船時代のスペインかぜの時は4~11カ月かけて世界を席巻、死者は4、5000万人にのぼった。現代はわずか数日間で世界に伝搬。地球規模で大流行が同時多発し、最悪のシナリオでは死者5億人との推定もあるほどだ。
「国際的な監視態勢の充実とともに、対策は『ボヤ』ではなく『大火事』に備えなければ意味はない」と、解決すべき諸問題を挙げる。
新型ウイルスを迎え撃つには情報伝達の的確さが欠かせない。 メディアの力を重視するが、 いたずらに大騒ぎする不勉強ぶりにも不満を隠さない。このため、「正しく伝えてもらう努力をしなければならない」 と毎月最終の月曜夜、 メディア向けの勉強会を開催している。 センター庶務課に申し込めば、 だれでも参加できる。
ゲスト / Guest
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岡部信彦 / Nobuhiko OKABE
日本 / Japan
国立感染症研究所感染症情報センター長 / Head,IDSC
研究テーマ:インフルエンザ