2005年10月06日 00:00 〜 00:00
文喜相・韓国ウリ党議長

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会見リポート

電力供給は軽水炉と別

安尾 芳典 (共同通信編集委員)

大統領秘書室長を務めた盧武鉉大統領の側近中の側近だ。盧政権で細る日韓間の政治的パイプをつなぐため昨年7月に韓日議員連盟会長を任されたのも、盧大統領の信任が厚かったからだ。「盧大統領とわたしが言っていることは寸分も変わらない」と韓国人記者に語るほどだ。

このため、盧大統領同様、日本の歴史認識問題に厳しい立場を取る韓日議連会長でもある。小泉純一郎首相の靖国神社参拝について「(参拝)しないことを望む」と、参拝に反対の姿勢を明確に示した。

日本が国連安全保障会議常任理事国入りを目指していることについても「周辺国の理解が絶対に必要だ」と述べ、歴史認識問題で日本が姿勢をあらためるよう強く求めた。盧政権が北朝鮮との関係を重視し、米韓関係がぎくしゃくしているが、「北朝鮮を国際社会に引き出すための戦略で、米国離れではない」と述べた。

6カ国協議に絡んで、韓国が提案している北朝鮮への200万キロワットの電力供給に関しては「軽水炉提供と関係なく進める」としながらも、「軽水炉があれば、送電をやめることもできる」と語った。

訪日中、韓国側記者団に、北朝鮮を近く訪問し金正日総書記と会談したいとの意向を明らかにした。盧大統領の訪朝による第2回南北首脳会談を準備するためともみられる。

2年後に控えた大統領選への出馬も「考えていない」としながらも、周囲からの要請があれば出馬する可能性を否定しなかった。ソウル大法学部出身のエリートだが、国民の人気はいまひとつ。だが思わぬ風が吹く韓国政界だけに予想外の展開もありうるだろう。ただ10月末の再・補欠選挙の完敗の責任を取り早々と辞任し、厳しい立場に立たされた。

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