会見リポート
2005年09月02日
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フレッド・バーグステン・アメリカ国際経済研究所長
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FTAAPとEAFTAの平行発展
春名幹男 (共同通信特別編集委員)
そんな言い方をしてもそれほど異論はないかと思う。言葉が妥当かどうかは別として、日米関係を仕切る米側の“ドン”という意味である。
別の機会に、アーミテージ氏に「東アジア共同体」について質問したところ、「米国も太平洋共同体の一員だ。米国を排除するのはまずい」といった答えが返ってきた。その、やや感情的な言い方に私は驚いた。
日本国内でも、安保分野の専門家は、総じて東アジア共同体にネガティブで、経済専門家はポジティブだが、バーグステン氏なら何と言うか、かなり期待して研究会に臨んだ。
バーグステン氏の主張は論理的だった。世界の国内総生産(GDP)および貿易総額の約20%を占める東アジア共同体のグループ化に一応前向きな評価を与えながらも、それ以上に、多くの問題点を挙げた。第一に、通商差別的な措置によって世界貿易機関(WTO)に悪影響を与える。第二に、「太平洋の真ん中に線引き」することによって東アジアと米国を分断するというのだ。
そこで、その代案として彼が提案したのが「アジア太平洋自由貿易地域」(FTAAP)を東アジア自由貿易地域(EAFTA)とともに発展させる、という構想である。これなら加盟国は、中国か米国か、と選択を迫られなくてすむというわけだ。
バーグステン氏の日本の知己は政財界からメディアにも及ぶ。小泉純一郎首相のエコノミストとも言える竹中平蔵郵政民営化担当相もバーグステン氏と近い。自民党のマニフェストには「アジア共同体構想の推進」とある。具体的にどう進めるのか、竹中氏にも話を聞いてみたい。
ゲスト / Guest
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フレッド・バーグステン / C. Fred Bergsten
アメリカ国際経済研究所長 / Director, Institute for International Economics