2005年09月22日 00:00 〜 00:00
鄭權鉉・朝鮮日報東京支局長「韓国の新聞法」1

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会見リポート

新聞法で政府と全面対決

中井 良則 (毎日新聞編集局次長)

9月から始まった「韓国の新聞法」研究会のトップバッターに登場してもらった。

7月に施行された「新聞法」と「言論仲裁法」に対し、朝鮮日報など大手紙は猛反発し、大きな議論を呼んでいる。盧武鉉政権による言論規制か、あるいは新手のメディア振興策か。新聞法の実態を知ることは、急激に変化する韓国社会を読み解く一助にもなるだろう。研究会を新設した理由だ。

鄭さんによると、①発行部数の多い新聞に課徴金を課す②新聞発展基金の設立③新聞を共同配達する「新聞流通院」の設立─が新聞法の内容だ。

「現政権に批判的な新聞に対し、あらゆる手段を使って規制を加える一方、友好的な与党寄りのメディアを育成する意図が隠されている」

のっけから厳しい政権非難が飛び出した。朝鮮日報は新聞法の違憲確認訴訟を憲法裁判所に起こし、政府と全面対決している。それだけに、鄭さんの立場は明確で、「悪法」を徹底的に攻撃した。

「大統領に友好的な放送局、一部の新聞、インターネットメディアに、新聞発展という名目で支援金を与える」「独裁政権の手法だ」「飴と鞭で新聞機能の危機をあおり立てている」

1989年に入社し、政治部を経て東京に赴任するまでは社会部司法担当キャップ。こういう記者がいれば特ダネが次々に出て、デスクは手放したくないだろう、と思わせる熱血漢だ。

韓国では新聞の世帯普及率が4割に減り、部数競争が激化する一方、インターネットメディアが広がっている。日本の新聞界と共通する現象だ。歴史がある伝統的な大手紙がどう生き残り策を編み出すか、日本の新聞にとっても無縁ではない。

ゲスト / Guest

  • 鄭權鉉

    朝鮮日報東京支局長 / Tokyo Branch Manager , The Chousunilbo

研究テーマ:韓国の新聞法

研究会回数:1

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