会見リポート
2005年09月20日
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中国経済審査報告:避けられない都市人口増加
佐藤 雄希 (時事通信外国経済部)
「報告に従って改革を進めれば、5年以内に効果が出てくると思う」─。同氏によると、資本配分のうまくいっていない現在でも9・5%の成長を維持しているわけで、「これが改善されれば、さらに成長は押し上げられる」という。
数ある提言の中でも同氏が繰り返し言及し、強調していたのが法律の適正な施行と労働市場の構造改革だ。
中央政府は知的財産権の保護など、あらゆる領域において法整備に着手しているものの、「施行は各地方ごとにバラバラで、法律的な取り扱いの不平等、不公正が経済活動の拡大を妨げている」という。
労働市場改革では、各個人を出身地に縛り付ける住民登録制度の廃止を主張。人の移動を活発化し、急速な都市化を進めるよう提言した。
「このままの状況で農村が都市と同じ所得を得るのは当然不可能。中国が先進国になることを望むなら、人口の80%が都市部に居住せざるを得ない」という。
都市に農村人口が急激に流入する懸念については「移住する年齢層は若い人たちなので、移動は徐々に一定の期間をかけて進む」と楽観的だ。
同氏は逆に、将来必ず都市化を迎えることを踏まえ、農村の不満がうっ積する要因となる土地収容を適切に処理するため法整備を急ぎ、都市流入民が行政サービスを受けられない不平等さを解消するよう提言する。労働市場の変化をどれだけ円滑に進められるか─。中国が安定的に発展するには、不正を許さない「公平な」システム構築がカギを握っていることが、よくわかった。
ゲスト / Guest
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リチャード・ハード / Richard Herd
日本 / Japan
OECDシニア・エコノミスト / Senior Economist, OECD