2005年09月07日 00:00 〜 00:00
田中康夫・新党日本代表

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会見リポート

改革モデルは長野県

中西 晴史 (日本経済新聞編集委員)

天皇、皇后両陛下の長野訪問と日程が重なり、当クラブ主催の党首討論会を欠席した新党日本の田中康夫代表が選挙運動期間中に登場した。

各メディアが同党苦戦の世論調査結果を公表した直後で、「議席がとれない場合、党は存続するのか」といった質問も出た。田中氏は「無意識ではない有意識なウルトラ無党派の方々と日本を救うために、ともにできるだけのことをしようと結党した。私が代表として活動を続ける」と選挙後の解党を否定した。

選挙公約の柱は(1)財政再建・健全化(2)年金改革(3)霞が関の官僚主導政治の改革──の3点。小泉首相の就任後4年間で「長期債務は170兆円増え、1時間当たり39億円も借金は増えている」と、小泉改革がまやかしだと主張。

ではどうするか。モデルは自らが知事を務める長野県だ。「全国都道府県で唯一、4年連続で借金を減らし、かつ雇用も創出した」と胸を張る。

国も長野県にならって「縮み志向の一律シーリングではなく、ゼロベースからの見直しで不要な事業を廃止し、必要なものも入札改革でコストを下げる。人件費も民間並みの水準にするなどで12兆円の財源をねん出。基礎年金の財源や所得減税(定率減税)継続に使う」とする。「今、知事だから元気にできる」「地域からの改革」を掲げる同党のスローガンとも合わせて、同党が「田中党」であることを印象づけた。

選挙結果は当選1人で、所属国会議員は5人から2人に減った。国会で存在感を出すのは容易ではないが、結党よりはるか前から各地の選挙応援に走り回ってきた田中氏の県外活動に拍車がかかりそうだ。

ゲスト / Guest

  • 田中康夫 / Yasuo Tanaka

    日本 / Japan

    新党日本代表 / Captain of New Party Nippon

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