2005年08月31日 00:00 〜 00:00
木谷雅人・文科省審議官(研究開発局担当)「ITER」

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会見リポート

核融合21世紀末に実用化?

長沢 光男 (個人会員(朝日新聞出身))

「あと30年」という言葉を、何度聞いたことだろう。「石油はあと30年で枯渇する」「核融合は30年後に実現する」。それから何十年たったろうか。記憶に誤りがなければ、1950年代に国際機関での「あと20年で核融合実用化」という発言があった。石油はあと30年とか40年というのは、埋蔵量だけでなく採掘コストも考えてのことである。加えて、二酸化炭素の排出による地球温暖化の問題が浮上した。一方、「地上に太陽をつくる」核融合の方は、実現すれば光明である。しかし、従来の予測は、あまりにあやふや過ぎた。

今回、ITER計画の国際交渉が一段落したことによって、ある程度確かな目標が見えてきたように思える。

実験炉の建設にこれから10年。そして20年間運転する。それを踏まえて原型炉の建設へと進む。木谷氏は、「今世紀後半以降には実用化」と言い切った。

実験炉ITERをめぐる国際交渉は、紆余曲折などという形容を使うことすら、はばかられた。結局、青森県六ケ所村への誘致は断念。その見返りに日本企業がかなりの仕事をもらうことになるという趣旨の報道もあったが、そんな割り切り方をしていいものか。

交渉の経過の報道をけっこうこまめにチェックしてきたつもりだが、いまひとつ理解できない面が多々あった。木谷氏は、この疑問にかなりの程度、答えてくれた。

もちろん、国際交渉である。まして、今後の交渉が、ある意味では実質的な局面を迎える。本当の手のうちは、直接の担当者として明かせない面があることは理解できないわけではない。

それは分かっているつもりだが、若干の欲求不満が残った1時間半ではあった。

ゲスト / Guest

  • 木谷雅人 / Masato, Kitani

    日本 / Japan

    文科省審議官(研究開発局担当) / Ministry of education, culture, sports, science and technology

研究テーマ:ITER

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