会見リポート
2005年07月22日
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ビクトル・ユーシェンコ・ウクライナ大統領
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会見リポート
ヒロシマと核の恐ろしさ共有
宮田 謙一 (朝日新聞論説副主幹)
「あばた」と呼んでいいのかどうか。顔いちめん、耳や首にいたるまでびっしりとぶつぶつに覆われていた。何者かに猛毒のダイオキシンを盛られた結果と言われている。 謀殺や誘拐、失踪などが珍しくはない旧ソ連の政界でも、大統領選の候補者に対する毒殺疑惑は聞いたことがない。昨年の政変がそれだけ異様な空気に包まれていたことをものがたっている。
会見では聞けなかったが、そのあとのテレビのインタビューに、「必ず真相を解明する」と語っていた。 ただ、政権についた今となれば、旧悪の暴露よりは国民の結束、安定を優先させるのかもしれない。会見でも、革命気分を引きずるようなところは感じさせなかった。
訪日の眼目は、もちろん経済である。投資、貿易を拡大させたい。ウクライナは欧州の一部である。宇宙・航空技術の高さを知ってほしい。元中央銀行総裁らしく、細かな数字をあげて売り込んだ。
イラクに派遣している部隊を撤退させる予定だ。政変では欧米の圧倒的な後押しを受けた。米国への義理はあるが、戦争に批判的な欧州との連帯もある。結局、イラク情勢の厳しさが決断を支えたのだろう。
日程の合間に、広島を訪問した。チェルノブイリ原発事故を経験した国として、核の恐ろしさを共有したかったのだという。
ゲスト / Guest
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ビクトル・ユーシェンコ / Viktor Yushchenko
ウクライナ / Ukraine
ウクライナ大統領 / President