2005年07月27日 00:00 〜 00:00
冬柴鐵三・公明党幹事長

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会見リポート

民営化反対派へのけん制球?  

榊原 元廣 (共同通信編集委員)

郵政民営化法案の参院採決が迫る中で賛否の票読みに関心が集まった。

「郵政は民営化すべきだと心から思っている」と言う冬柴氏だが、地方議員からは「郵便局がなくなることは許されない」との手紙が来たりして、党内議論でも苦労があるようだ。冬柴氏は今までの国会審議を踏まえ「郵政事業はばく大なカネを動かしていたが透明性に欠けていた。民になれば透明性が確保され、自由に投資される」などと民営化が正当であること縷々並べ立てた。

しかし民営化の中身より注目はもはや政局の行方。反対派の存在は自民党内の話で、手を突っ込むわけにはいかないとしながらも、反対派説得にできる範囲で協力したいと言うからには、選挙協力の面でそれなりの圧力をかけているだろうことを推測させた。

自民、公明の連立で今絶対安定多数を衆参で持っているのに、最悪のタイミングで解散とは、自民党は何だ、というのが冬柴氏の気持ちだろう。否決されたら自公党首会談がもたれるだろうから、公明党としては解散すべきではないと言うが、解散は首相の専権事項だからしょうがないと、そこは整理できている。だから北側一雄国交相も閣僚として首相に従うべきだとなる。

「自民党との連立を組んだのは政治を安定させるため、国家国民のためとの意識を持っている」と冬柴氏。であるならば総選挙で民主党が第一党になったとしたら、「組みたくはないが、それが唯一政治の安定ならば、ちゅうちょすべきではない。民主主義は数。過半数がないと何も決められない」と連立の組み替えに言及。これも実は自民党の民営化反対派へのけん制球なのだろう。それにしても公明党の与党への意思は、また格別である。  

ゲスト / Guest

  • 冬柴鐵三

    公明党幹事長

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