2005年04月04日 00:00 〜 00:00
ホルスト・ケーラー・ドイツ大統領

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会見リポート

「ドイツ年」通じて新たな発見を

岩脇純 (共同通信外信部)

「日本におけるドイツ年」開幕式に出席のため来日したケーラー大統領は、ドイツ年の開催が「遅きに失していると言えるほどだ」と強調した。

日本の中高年世代にとって、ドイツは第二次世界大戦をともに戦った同盟国であり、戦後はともに灰燼の中から復興を成し遂げた“同志”的な親近感の対象だが、若い世代にとっては果たしてドイツは身近な存在と言えるのだろうか。

ベンツやBMWなどの高級車信仰を例に出すまでもなく、日本人一般がドイツに対して抱く印象は決して悪いものではない。しかし、大学などでドイツ語を学ぶ学生の数は、中国語などに押されて減り続けており、高級外車やサッカー強国であることなどのステレオタイプ的なイメージにとどまらない現代ドイツの実像が、どれだけ理解されているか、日独交流に携わる人々の間では危機感すら芽生えているのが現状だ。

ドイツ側もこうした危機感を共有しており、1999年から2000年にかけてドイツで催された「ドイツにおける日本年」は、相互理解の強化に役立った。今回の「ドイツ年」は「日本年」と対をなすイベントになる。

大統領は会見で「なすべきことが多くある。2国間関係に忍び寄るマンネリ化の危険を打破したい」と述べ「とりわけ若い世代の方々にドイツが多様な文化を持つ国であることを発見していただきたい」と希望を表明した。

国連安保理改革など国際政治でも共通の課題を持つ両国の友好関係が、ドイツ年開催を通じて一層強化されることを期待したい。

ゲスト / Guest

  • ホルスト・ケーラー / Horst Köhler

    ドイツ連邦共和国 / Federal Republic of Germany

    ドイツ大統領 / President

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