2005年04月04日 00:00 〜 00:00
麻生渡・全国知事会長

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会見リポート

“闘う知事会”どう引き継ぐか

平山一城 (産経新聞地方部長)

3月22日に昼食会が予定されていたが、その2日前、地元・福岡地方を大きな地震が襲った。日程は延期され、仕切りなおしのゲスト登板となった。

「(福岡は)地震のないのを売り物にしてきたので、ちょっと困った」と、まず、会場を和ませる。すかさず、「阪神大震災を教訓に、建物、高速道路の耐震工事が終わったところ。被害が抑制され、特に火事が一件もなかった」と、知事としての実績をアピールするのを忘れなかった。

本題は、全国知事会の新会長としての所信である。この2月、初めて知事会内の選挙で選ばれ、前職の打ち出した「闘う知事会」をどう引き継ぐかが注目される。とりわけ、国と地方との関係を変革する三位一体改革が「第一番の仕事」になる。

今年はその第1期3年間の仕上げの年だが、「具体的な成果につなげる多くの課題」を抱える。

地方への税源移譲、補助金・交付金の削減、さらに、義務教育、公共事業、生活保護の扱いなど調整すべきところは少なくない。中央の官僚や族議員の壁は厚く、肝心の税源移譲でさえ「最後まで油断できない」と気持ちを引き締める。

国と地方の協議の場は整った。だが、地方分権の確かな将来像を描くためには大きな政治力を必要とする。地方議員や関連団体と連帯して国民運動に広げていく計画だが、政府や政党がその気になってくれなければ前進できない。

地方案を尊重して改革を約束した小泉首相も郵政民営化に忙しく、さらなる分権構想までは手がつけられない。

「郵政にメドがついたら、(首相には)分権に帰ってきてもらいたい」と歯がゆそうだった。

ゲスト / Guest

  • 麻生渡 / Wataru Aso

    日本 / Japan

    全国知事会長 / President, National Governors' Association

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