2005年04月06日 00:00 〜 00:00
鈴木敏文・セブンイレブン・ジャパン会長

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会見リポート

“常識”打破の流通のカリスマ

持永秀樹 (テレビ東京報道局次長)

アメリカで生まれたコンビニエンスストア、セブンイレブンを独自の方式で発展させた鈴木敏文会長(イトーヨーカ堂会長、グループCEO)は流通業界のカリスマと呼ばれている。それは鈴木流経営哲学にあるのではないか。「あらゆる常識を打ち破る」が鈴木会長の神髄と言われ、不可能を可能にする挑戦を今も続けている。鈴木会長の講演はいつも「聞きたい人」で満杯だ。

日本のファーストフードともいわれ、今でこそ売れ筋のトップにあるのが弁当やオニギリだが、当時、鮮度を維持するための1日3回配送は「失敗しますよ──と、多くの人から反対されました」と、新しいことへの挑戦は常に反対が多いと振り返る。しかし、今では反対する人はほとんどいない。「どれだけ常識を破れるかが、革新につながる」と鈴木会長は国内1万店を突破し、なお成長を続けるセブンイレブン改革の手を緩めようとしない。

企業の成長の必要条件と言われる「人、モノ、カネ」だが、3つの要素が全部揃うと、「むしろ企業は内向きとなる」と言い切る。「こうした条件が充足していない方が、企業の発展の原動力になるのではないか」と付け加えた。

イトーヨーカ堂とセブンイレブンの双方を経営している鈴木会長だが、その根本的な違いは「DNAの違い」と言い切る。スーパーは「価格の安さ」を追求し、コンビニは「質への挑戦」と。

ここに来て「コンビニ飽和説」がささやかれるが、鈴木会長は「それはマスコミが言っているだけ。生活インフラとして浸透したコンビニはまだ成長する」と断言した。32年目に入ったセブンイレブンだが、「鈴木DNA」はどう引き継がれるか興味深い。

ゲスト / Guest

  • 鈴木敏文 / Toshifumi Suzuki

    セブンイレブン・ジャパン会長 / President, Seven-Eleven Japan

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