会見リポート
2005年03月08日
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ジェラルド・カーティス・コロンビア大学教授
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会見詳録
会見リポート
非公式調整メカニズムの崩壊
田﨑 史郎 (時事通信解説委員)
教授は55年体制以降、半世紀の日本政治の変化を「非公式な調整メカニズム」(インフォーマル・コーディネーション・メカニズム)の確立と崩壊の過程ととらえ、以下の5点の特徴を列挙した。
① 元官僚と党人派 自民党は政策通の元官僚と、選挙民の要望に敏感な党人派が一緒につくった政党だ。しかし、最近の元官僚は熱心な大学院生のような人が出馬し、党人派も二世議員となった。
②自民党と社会党 社会党は60年代半ばから政権をとることをあきらめ、自民党と癒着した。民主党は政権をとれる期待があるが、次の選挙で自民党が圧勝すれば「国対政治」が復活するだろう。
③官邸と自民党 議会制民主主義をとるほかの国で見られない特徴は、与党と政府が対等の立場にあることだ。小泉首相は政策決定で自民党の力を弱めた。
④マスコミと政界 この関係は55年体制で一番崩れていない。マスコミが記者クラブ制度の下で国家の情報を得る構造は21世紀の経済大国としてふさわしくない。政治家に夜回りをする番記者制度は、マスコミの方からやめた方がいい。
⑤財界と自民党 70年代、財界の「四天王」がいた。今の財界はどこにあるか分からない。
これに対して、「こういう時代であるほど夜回りを中心としたインフォーマルな情報収集活動は我々の使命。要は公共のために使えるかどうかだ」という疑問が呈された。とはいえ、「政治は社会を見る一つの窓」との視点から、社会の変化に合わせ政治も「マナーからルールへ」へ変わらざるを得ないという教授の指摘には、目を開かれた。
ゲスト / Guest
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ジェラルド・カーティス / Gerald L. Curtis
米国
コロンビア大学教授 / Professor, Columbia University