2005年02月16日 00:00 〜 00:00
マイケル・ソマレ・パプアニューギニア首相

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会見リポート

新たな発展的関係を期待

海老原淳 (NHK国際放送局)

京都議定書が発効した2月16日。太平洋に浮かぶ島国パプアニューギニア(以下PNG)のソマレ首相は「我々太平洋の島国の住民は地球温暖化の被害者」だと言い切った。

およそ4万キロに及ぶ海岸線を抱えるPNGは今年建国30年。この若い国を襲う地球温暖化はもはや国民全員に突きつけられた危機にほかならない。私たちが今後PNGとの発展的関係を考える場合、この温暖化の問題を常に念頭に置いて議論することが最低限必要だろう。

ソマレ首相は日本をはじめ先進国との関係が「強化された連携を通しての協力」であることを指摘した。重要なのは、国内に埋蔵する資源と一次産品を諸外国に十分に活用してもらい、その活用こそが自国民の発展につながるということである。

PNGにとって日本はすでに第2の貿易相手国である。今後も日本からの継続的な投資をとりつけ、鉱山や石油資源の開発を安定的に進めたいというのが本音であり、一方で、海や山を利用した観光開発や魅力ある果樹栽培など農産品の輸出の拡大にも力を入れたいという。ただしPNGがこの分野で発展を期待するなら、他の太平洋諸国と差別化された事業や、農産品の安定的な供給と価格がどこまで確保できるかに注目すべきだろう。

戦後60年を迎える日本の人たちにも期待を語った。過去の一方的関係にとどまることなく、さまざまな世代の人に、そしてより広い分野の人たちにPNGとの交流をしてもらいたいとも述べた。

PNGの将来に、日本がどこまで関心を持って協力関係を築けるのか、日本に期待される使命と役割を今後とも注視していきたい。

ゲスト / Guest

  • マイケル・ソマレ / Michael Somare

    パプアニューギニア独立国 / Independent State of Papua New Guinea

    パプアニューギニア首相 / Prime Minister

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