2005年01月25日 00:00 〜 00:00
小島眞・拓殖大学教授「著者と語る」

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会見リポート

インドのソフトウェア産業

黒川信雄 (フジサンケイビジネスアイ経済産業部)

人口10億を有し、中国に次ぐ新興経済大国として注目が集まるインド。2003年度に8・5%の経済成長率を達成した同国は、経済開放政策を軸に今後も高い成長が期待される。そのインドが世界に誇るのが、ソフトウェア開発技術だ。

インドのソフト産業研究の第一人者として知られる小島氏は、インド経済に占めるサービス産業の割合が80年代前半の30%台から、03年以降50%を超えたと指摘。その中でも、ソフト開発などITサービス分野の成長力の強さが、産業全体をけん引していると強調する。ITサービス関連の輸出は、年間約30%の割合で増加を続けているという。

また、「現在、米企業の10%がソフト開発などITサービスを海外に外部委託し、その委託先の8割がインドだ」と述べ、米企業にとってインドのソフト産業が欠かせない存在だと指摘する。その上で、将来的にIT人材の不足が予想される日本企業は、インドとの一層の関係強化が不可欠と強調した。

現在インドは、アジア各国との経済関係の強化を急速に進めている。ASEANは、03年10月に包括的経済協力協定を締結。韓国は、昨年10月にFTA締結作業開始に合意した。また中国は、貿易総額で02年度に日印を超え、04年度は100億ドルを超える見込みだ。

外務省によれば、日印貿易は90年代から年間50億ドル前後で伸び悩んでいるという。IT分野でのつながりだけでなく、巨大市場としても注目が集まるインド。小島氏は、インド企業は欧米への偏った輸出構造を是正するため日本への注目を強めていると指摘するが、日本が今それに振り向かなければ、インドにはまだ多くの選択肢があるようだと感じた。

ゲスト / Guest

  • 小島眞 / Makoto Kojima

    拓殖大学教授 / Professor, Takushoku University

研究テーマ:著者と語る

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