2005年01月19日 00:00 〜 00:00
小泉純一郎・首相

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会見リポート

余裕しゃくしゃくの4年目

早野 透 (朝日新聞コラムニスト編集委員)

年頭の小泉純一郎首相の記者会見には少々違和感を感じた。まず日本国首相を日本記者クラブが迎えるのに、なぜみんな起立して拍手で迎えなければならないのか。外国の賓客でもないのに。

政権4年目の小泉さんは余裕しゃくしゃくにみえた。去年は「災」の年だった、今年は「福」に転じたいと切り出す。津波被害を救った浜口梧陵の話、「奇跡」に挑戦する小泉改革、そして憲法のすきまを使って理想と現実を「良い加減」に調整してきた日本人の知恵……。小泉自賛節はなかなか聞かせる。

だが、決まり文句だけれども、わが日本は問題山積である。それを一つ一つたださなければなるまい。いつも小気味よくズバリ切り込む毎日新聞のY氏が立つ。

Q「総理はお疲れじゃないか」

A「疲労の程度はその日によって違います。総理大臣は逃げ出すわけにはいかない。一番効き目があるのは睡眠です」

含蓄があるといえばあるやりとりだけど、小泉さんにちょっといなされたかな。

だが、そのあとがいけない。新聞OB氏の東アジア協力についての質問は私見が多すぎた。イラク電撃訪問はあるかといった番記者的な質問も続いた。「米百俵」の話を引用して、小泉さんの改革の精神を語るべき「壁書」は何かといった質問は凝りすぎの感がある。

北朝鮮の拉致問題、イラク、憲法改正。身をよじるような問題があるのに何とものどかである。小泉首相が 「日本記者クラブ、くみしやすし」とほほえんで帰っていったとしたら悔しいではないか。

ゲスト / Guest

  • 小泉純一郎 / Junichiro Koizumi

    日本 / Japan

    首相 / Prime Minister

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