2005年01月12日 00:00 〜 00:00
十市勉・日本エネルギー経済研究所常務理事・首席研究員「経済見通し」3

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会見リポート

原油価格は40ドル強高止まり

渡部 明浩 (日刊工業新聞論説主幹)

昨年秋に55ドル最高値をつけた原油価格(WTI)がどう推移するか─。エネルギー問題の第一人者である十市さんは、「WTIは40ドル強と高止まりが続く」と見通す。

昨年は需要予測を間違え高値を呼んだが、「今年は世界経済の減速で需要増が昨年の日量260万バレルから140~200万バレルに減るが、供給面も非OPECの生産拡大が鈍化するなど余剰生産能力が依然低水準で推移するため、引き続き需給がタイトになる」というのが根拠だ。だが、イラクなどOPECの供給がストップにでもなれば高値に跳ね上がる地政学リスクは抱えたまま。

日本経済に与える影響も 「石油依存度も少なくなっているうえ、 円高効果もあり原油高への適応力が大幅に改善したため、 深刻なダメージを引き起こす水準ではない」と指摘。欧米の地質学者が唱える 「石油資源がピークに近づいている」とする予測に対しては「資源が圧倒的に多い中東やロシアがアウトコントロールにあるための見方だろう」とする。

ゲスト / Guest

  • 十市勉 / Tsutomu Toichi

    日本エネルギー経済研究所常務理事・首席研究員 / Managing Director and Senior Researcher, The Institute of Energy Economics, Japan

研究テーマ:経済見通し

研究会回数:3

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