2005年01月14日 00:00 〜 00:00
大野功統・防衛庁長官

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会見リポート

国際国家と自衛隊

廣瀬 祐子 (日本テレビ報道局解説委員)

防衛庁の今年最大のテーマは「米軍兵力構成の見直し」。アメリカがアジア太平洋地域の安全保障で日本にどのような役割分担を求めるのか。日本はそれに対抗できる戦略を果たして打ち出せるのか。考えだすと食事ものどを通らない(表現が大げさなのは筆者の性格)。

さて大野防衛庁長官の昼食会だ。前日インドネシア、韓国等の訪問を終えて帰国したばかり。

自衛隊が「抑止としての存在」から「働く存在」に変容するのに伴い防衛庁長官の仕事も多忙となってきた。

9月の就任以来、イラク・サマワ訪問、防衛大綱策定、インド洋大津波被災国訪問と精力的に活動中だ。

大野長官は「今年は国際国家として新しい時代を切り開く年」と位置づけ、自衛隊の平和協力活動の本来任務化へ強い意欲を示した。

国際的な安保環境の安定のために紛争予防から復興支援まで海外で自衛隊を積極活用しようとする考えは防衛大綱でも示されており、アメリカはこの部分を非常に高く評価したという。

一方東南アジア諸国からは警戒心も示されたと伝わっている。

日本の防衛はどこに向かおうとしているのか。最大テーマとなる。

米軍の兵力見直しについて大野長官は「しばらくの間は説明はご勘弁」「交渉ごとなので口にチャックさせて…」と口が重かった。カギとなるのは在日米軍の性質の変化だ。日本と極東の防衛のために存在するのか、アメリカの世界戦略の一翼を担うことになるのか、分水嶺となる今年。行方はきちんと見定め報じていかなければならないと思いを新たにした。今夜も眠れそうにない(大げさなのは…性格です)。

ゲスト / Guest

  • 大野功統 / Yoshinori Ono

    日本 / Japan

    防衛庁長官 / Minister of State for Defense

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