会見リポート
2005年01月31日
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三木谷浩史・楽天社長
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会見リポート
楽天流野球ビジネスに注目
東谷隆介 (共同通信編集委員)
三木谷氏は自身の2つの転機を結び付けた。1995年、大手銀行を退職し、コンサルティング会社を経てインターネットショッピングモール事業に打って出るとき、先発企業は「全部失敗していた」そうだ。昨年、プロ野球参入を考えているときは「野球はもうからない」と言われた。
「(インターネット市場は)大企業がやるから失敗する。ベンチャーにはベンチャーのいいところがある」と言い切り、最大の長所としてスピードを挙げた。若いスタッフ、少人数でアイデアと機動力をフル回転した奮闘を想像させた。日本最大の楽天市場を築いた実績に比べ、野球ビジネスでの腕の見せどころはこれからだ。
ファンクラブ運営、球場の改革、ネット中継など「あらゆるものを収益源化していく」という気概は確かに、既成の球団経営者にはない。しかし、昨年合併で消滅した近鉄をはじめ、年間赤字が30億から40億円といわれる球団が常在化するプロ野球。ファンを増やすには勝たなければならず、勝つにはコストがかかる。それに、プロ野球界には12球団全体がビジネス共同体であるという大局的意識が希薄で、時代に合わない制度疲労も出てきている。まず楽天球団の自立的安定経営の努力が優先されるが、プロ野球全体の改革にも労力を注がなければ、地盤沈下は必至だろう。
三木谷氏自身が打ち出している本格的な地域密着型経営の確立がカギとなる。フランチャイズが今ほど日本列島にうまく分散したことはない。
「東北をメジャーにすることで地域密着を図りたい」三木谷流に注目。
ゲスト / Guest
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三木谷浩史 / Hiroshi Mikitani
楽天社長 / President of Rakuten