2004年11月22日 00:00 〜 00:00
李鐘元・立教大学教授/森本敏・拓殖大学教授「米外交の行方」6

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会見リポート

単独主義は修正方向へ

河内 孝 (毎日新聞取締役)

今シリーズ最終回は、米大統領選挙の結果を受け、その評価、ブッシュ第2期政権の外交・安保チームと、その政策選択。アジア政策への影響──について活発な論議が行われた。

選挙結果につき森本教授は米社会の全体的保守化イラク戦の是非が外交というよりは国内治安問題として捉えられ埋没した道徳、倫理、価値観というイメージ選挙に絞ったブッシュ選対の戦術上の勝利──に集約した。

ブッシュ第2期の外交スタンスについて同教授は、「前回に比べ一般投票でも勝利した結果を受け当面は保守的政策を継続するが、中間選挙以降、民主党の政策も取り入れてゆくモデレートなものになるのではないか」との見方を示した。アジア政策、中でも台湾問題について、「ブッシュ政権と中国との関係は意外に強固と見た方がよい。政治的価値観は共有しないが経済的共存関係を重視してゆくのではないか」と語った。

李教授も、「中長期的には単独主義的傾向に修正が加えられるのではないか」との見方を示し、その理由について、「朝鮮戦争の後、熱戦から冷戦に時代が移行した。アフガン、イラク戦争後にもなぞらえることができるのでは」と興味ある指摘をされた。

当面の関心事である朝鮮半島情勢については、「いずれ、6カ国協議は再開されようが事態の急変は予想できず米中提携による圧力がどの程度効果を上げるかがポイント」という見方で一致した。

ゲスト / Guest

  • 李鐘元 / Lee Jong Won

    立教大学教授 / Professor of Rikkyo University

  • 森本敏 / Satoshi Morimoto

    拓殖大学教授 / Professor of Takushoku University

研究テーマ:米外交の行方

研究会回数:6

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