会見リポート
2004年10月18日
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王毅・駐日中国大使
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会見詳録
会見リポート
客観・公正・友善
川村範行 (東京新聞・中日新聞論説委員)
日中関係は「最も重要な二国間関係」と重視するが、阻害要因の歴史問題と国民感情に懸念を示す。
では、日中関係の改善にどう取り組むか。国交回復時の日中共同声明など三件の政治文書が「指導的な原則で、問題を処理する基準である」と指摘。「この原点に返り、政治的決断と知恵に学び、行動をもって順守する」よう強調した。
その上で「歴史にこだわるのではなく未来を切り開く」「子々孫々の友好へ強固な基盤をつくる」「共にアジアを振興する」という方向性を示した。日本がどうこたえるか。日中双方で共通利益のための新たな地域協力の具体案を示すときである。
小泉首相の靖国参拝には「日本独特の死生観は承知しているが、完全に日本の内政とはいえない。内政を超え、外交問題になっている」と、強い調子で翻意を促した。
「戦争は一握りの戦犯が起こし、日本の国民も被害者であり、友好のためにと戦時賠償を放棄した」と繰り返し述べたのは、双方が原点に立ち返るべきだとの意向からだろう。
質問に対し「中国に愛国教育はあるが、反日教育はありません」と反論。子々孫々に友好をと教えてきたこと、残留孤児を育て上げたことなどを挙げたが、両国民の感情が絡んだ現在の状況をどう克服するか。
恒例の揮ごうは達筆で「客観 公正 友善」。客観と公正は歴史問題などへの対処も指すのだろう。友善は「友好と善意」の意。大物大使の任期中に、両国関係が善意に基づき好転することを期待する。
ゲスト / Guest
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王毅 / Wang Yi
中国 / China
駐日中国大使 / Chinese to Japan, ambassador