会見リポート
2004年10月05日
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村瀬清司・社会保険庁長官
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会見リポート
和と厳
会田一臣 (読売新聞政治部)
就任わずか2カ月で、当面の課題に対する「緊急対応プログラム」をまとめた村瀬清司長官の「仕事師」としての評価は高い。
スピーチでは、「改革に向けて、職員は随分変わってきている」と繰り返した。言葉の端々に改革を成功させることへの強い自信がうかがえた。
長官就任前、「民間人が長官になっても、社会保険庁が抱える問題は根深く、改革は無理だ」と言われた。組合の合意なしには停滞する業務。厚生労働省から出向しているキャリア、本庁採用職員、地方出先機関の職員からなる組織の三層構造。社会保険庁一家とも言われる閉鎖的体質――。村瀬長官は自ら精力的に地方に出向く一方、組合代表とも話し合いを続けている。「最もふさわしい人に長官になってもらった」という声が庁内には広がっている。だが、ご本人は民間企業から社会保険庁のトップとなった当初、驚くことの連続だったという。
「言葉一つとってもそうだ。『苦情』という言葉は民間では使わない。民間では『お客様の声』だ」と具体例を披露した。肝心の改革の仕上げの時期については、「形と魂の両方が伴うまで。いつまでと明言するのは無責任になる」と慎重な姿勢を示した。
無理はないかもしれない。昼食会の一週間ほど前、社会保険庁の地方課長が収賄容疑で逮捕された。
これまでにたまった膿は完全には出し切っていないだろう。村瀬長官の正念場はこれからだ。
ゲスト / Guest
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村瀬清司 / Seiji Murase
社会保険庁長官 / Chief, Social Insurance Agency