2004年10月25日 00:00 〜 00:00
H.バドル・駐日エジプト大使

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会見リポート

ガザ治安維持に積極的に関与

川村晃司 (テレビ朝日報道局報道企画部コメンテーター)

冒頭「新潟中越地震の被害について、深くお見舞い申しあげます」と語った大使は、日本との関わりは深く、日本語も流ちょうに話す。

エジプト外務省に入省後、ちょうど20年という節目の年に駐日大使となった外交官の海外デビューは日本であった。たまたま私がカイロ支局長としてエジプトに赴任直後、バドル二等書記官(当時)は2年間の外務研修と英国での留学を終えて日本に赴任。エジプトとの文化交流担当の責任者として約5年間、日本の文化や歴史を体験的に学んだことが大使のその後の外交官人生に大きな影響を与えているようだ。親日家であることは発言の随所にうかがえた。

11月23日からエジプトで開催予定の国際イラク平和会議では、「G8の外相レベルでイラクの主権と安全に関する具体的な政策について協議したいので、町村外相にぜひ出席してほしい」と要望した。

一方、会場では日本・エジプト友好140周年記念の「エジプト文明から学ぶ川の文化」フォーラム(岩手県一関市で開催)に大使が出席したパンフレットも配布され、日本とエジプトのきずなの深さを訴えていた。

質疑応答では、イスラエル軍のガザ地区からの撤退について、「空港や港などすべての場所からの撤退であるべきだ」と完全撤退の必要性を強調。

さらに、撤退後のガザの治安問題ではロードマップ(新中東和平構想)達成の確実な一歩とするため、エジプト外相が近くイスラエルを訪問し、治安対策で協議することを明らかにした。そのうえで「今後ガザ警察の訓練指導を含めて、ガザの治安維持に積極的に関与していきたい」と、エジプトの新たな外交姿勢に関する東京発の特ダネを提供してくれた。「親日大使」に感謝。

ゲスト / Guest

  • H.バドル / Hisham BADR

    エジプト / Egypt

    駐日エジプト大使 / Ambassador of Egypt to Japan

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