2004年09月08日 00:00 〜 00:00
ルード・ルベルス・国連難民高等弁務官

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会見リポート

ダルフールへ視察団を

池田 伸壹 (朝日新聞外報部)

連立相手を変えながら、12年間もオランダ首相を務め、2001年に緒方貞子氏の後任となったルベルス氏。今回の来日は当初、5月24日からの予定だったが、セクシュアル・ハラスメント疑惑(複数で同氏を訪れた1人の女性が部屋を出る際に体を触られたと申し立てをし、国連監査局などが調査。7月15日に「証拠がない」との結論)などもあり、延期されていた。

しかしそのおかげで、ダルフール問題を抱えるスーダンのイスマイル外相との会談も実現。質疑応答では昨年11月以来の同外相との会談について「二人の役割ははっきりしていて、 外相は『すでに現地には平和が訪れている』と言い、それに対して、私は『持続的な平和でなければならない。それが検証され、難民が帰郷し、社会に再統合されるためにも、我々は仕事をしなければならない』と言う。敵対的ではなくても、外相がバラ色に状況を描きすぎるかもしれない」と予測してみせた。

人道的な活動における日本の役割や250万人の難民帰還に成功したアフガニスタンでの実績、NGOと小泉政権などにも触れたが、この日の焦点となったのはダルフール。ルベルス氏が日本の佐藤啓太郎・アフリカ紛争・難民問題担当大使や米国務省、欧州連合、アフリカ連合(AU)の担当者らとともに近く現地を訪問することを紹介。また、3万から5万人が殺害され、100万から150万人が難民か国内避難民となっているとルベルス氏が述べた直後、スーダン外相は同じ会場で「政府軍なども含めて(犠牲者が)5千を超えることは決してない」と熱弁。二つの会見に参加した後、「いったい事実は」と首をかしげる姿が目立った。

ゲスト / Guest

  • ルード・ルベルス / Ruud Lubbers

    国連難民高等弁務官 / UN High Commissioner for Refugees

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