2004年09月15日 00:00 〜 00:00
岡田克也・民主党代表

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会見リポート

民主党・冬のソナタ

山田 孝男 (毎日新聞編集局次長)

「選挙が終わってしまえば野党は冬の時代」と言われていたのが、連続ドラマ「民主党・冬のソナタ」(副題「岡田克也vs小沢一郎」)の思わぬヒットに沸く……という状況下での記者会見だった。岡田vsメディアの方は臨時党大会に伴う会見(9月13日)▽定例会見(14日)に続き、3日連続の攻防。代表質問をお引き受けし、迷わず「小沢問題」に斬り込んで、あっさりかわされた。

岡田氏のメッセージの核心は「小沢さんとは折り合える」である。「岡田vs小沢」という主題は90年代初頭の自民党時代、90年代半ばの新進党時代を通じて繰り返し現れた。小沢氏が新進党を解体した97年12月、岡田氏は「党首によるクーデター、政党乗っ取りであり、有権者への裏切りだ」と小沢氏を痛罵して袂を分かっている。

会報読者諸賢の前で恐縮だが、いわゆるソナタ形式といえば「主題の提示→展開→再現」という構成の楽曲である。「岡田vs小沢のソナタ」もいよいよ終章にさしかかったのか、もとよりエンドレス演奏のひとコマなのか、判定は下しかねた。「まっすぐに、ひたむきに」に落ち着いた参院選用キャッチフレーズの選考過程には「笑えない日本、笑わない岡田」という候補作もあったそうだが、決して無愛想ではない。「豪快に笑い飛ばすよりニヤッとした笑いが似合うタイプ」という、高校の同級生の評(雑誌「GQ」10月号岡田克也特集)が持ち味を言い当てており、その雰囲気は会見にもよく出ていた。

鈍重ではないが、軽妙でもない。訥弁ではないが、能弁とも違う。穏やかで理知的だが、あざとさを感じさせない分だけ頼りなくもある。この特質が党首としての可能性を示しているのか、限界を示しているのか、答えは次の総選挙までに出る。

ゲスト / Guest

  • 岡田克也 / Katsuya Okada

    日本 / Japan

    民主党代表 / The President of the Democratic Party of Japan

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