会見リポート
2004年08月26日
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北川正恭・早大大学院教授/逢坂誠二・北海道ニセコ町長/嶋津昭・元総務省事務次官「平成大合併の光と影」
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会見リポート
民意を束ねる難しさ
坪井ゆづる (朝日新聞論説委員)
メーンテーマの市町村合併は、推進派の北川、嶋津両氏に、「反対ではない」けれども消極派の逢坂氏がぶつかっていく展開だった。
推進派は合併を「分権の受け皿づくり」(嶋津氏)と規定し、「企画立案し、政策を遂行していくには、自治体に一定の規模が必要だ」(北川氏)と考える。国の財政難のもとで、自治体の行財政の効率化も欠かせないという視点も明確だった。
これに対し、逢坂氏は都会では希薄な地域への帰属意識が、地方には根強いと訴えた。また財政面のスリム化を狙う推進論には、小規模な自治体への国からの支出の少なさを指摘して、「都市部の効率を数%直せば、小規模な市町村の支出を半分に減らす効果がある」と反論した。
新しい合併推進法が、知事に合併に向けた勧告権を与えたことで、強制合併につながりかねないとの懸念には、3人とも「知事の強権発動なんて困難」との認識で一致していた。「政治、行政は現実であり、ひとつの手法として考えられた」(北川氏)との受け止めだった。
推進、慎重の両論ともに納得できた。だからこそ、自分が合併問題に直面したらどう判断するか考えた。歴史や風土、金銭面の現実を踏まえるべきだと頭では理解できる。だが、それを民意として束ねる作業の難しさを思わずにはいられない。
なにしろ「東京に自治なんてない。まさにお任せ民主主義だ」(逢坂氏)と指摘されても、反論しにくいのが実情なのだから。
ゲスト / Guest
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北川正恭 / Masayasu Kitagawa
早稲田大学大学院教授
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逢坂誠二 / Seiji Osaka
北海道ニセコ町長
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嶋津昭 / Akira Shimadu
元総務省事務次官
研究テーマ:平成大合併の光と影