2004年07月22日 00:00 〜 00:00
マニラル・トリパーティ・駐日インド大使

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会見リポート

GDP世界三位への自信

川西 和夫 (個人会員(毎日新聞出身))

話題となっている米ゴールドマン・サックス社の〝BRICS報告〟への言及があった。2005年にはブラジル、ロシア、インド、中国が世界経済で支配的役割を演じるとの予測である。といってインドのGDP(国内総生産)が世界三位になると鼻息荒く語るというわけでなく、あくまで抑え目なトーン。だから、インドが日本のGDPを追い抜くのは2032年といったくだりには触れない。

一方でインドが今年、日本のODA(政府開発援助)最大供与先国になったことに謝意を示しながら、「援助は圧力の道具に使われてはならない」と、やんわり釘を刺した。

「インドは輝く」をスローガンとした人民党主体の連立政権から「人間の顔をした改革」を掲げる国民会議派軸の連立政権に変わったばかりなので、新政権に対する不安を払しょくしてほしいというのが主たるメッセージである。「円滑な政権交代は民主主義の成熟を示したもの。改革の継続に安心してください」と述べ、日本からの直接投資増大を呼びかけた。

閣外協力をする共産党から直接投資問題で抵抗されて新政権の予算が難航している点については、「すぐ結論に飛びつかないで少々時間をいただきたい」。パキスタンとの対話プロセスが軌道に乗っていることも順を追って説明した。

夫人はカナダ大使などを務め、おしどり外交官として知られる。インドの激変を日本メディアが十分とらえているとは言えないだけに、日本中を飛び回っている実力派新大使の説法に期待がかかる。

ゲスト / Guest

  • マニラル・トリパーティ

    駐日インド大使

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