2004年06月23日 00:00 〜 00:00
西川善文・三井住友銀行頭取

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会見リポート

大口融資先の再建加速

小此木 潔 (朝日新聞経済部長)

銀行は本当に立ち直るのか。預金者や納税者の間に疑問がくすぶるなか、全国銀行協会会長の立場からも理解を得ようと懸命な様子がうかがえる会見となった。

デフレ脱却の展望が浮上し、不良債権の処理も峠を越えつつある状況下で、銀行界の課題については「金融システムの信頼回復を確固たるものにし、サービス業の原点に帰ることだ」と語った。

政府の金融再生プログラムでは大手行の不良債権比率を来年3月末までに半減させるとうたい、同4月にはペイオフ全面解禁も控えている。越えるべきハードルは低くないが、「主要行の不良債権半減目標の前倒しも視野に入ってきた。この勢いを失速させることなく、不良債権処理の促進、企業再生活動の支援に注力し、過去の問題解決の総仕上げを進める」と、強い意欲を示した。

金融庁の厳しい検査姿勢をどう見るかと問われた場面では苦笑しつつも、「通常のルールにのっとった検査と受け止めている」とかわした。一方、検査でも指摘されてきた大口融資先の再建については、「世の中の流れは、もっと短い期間で生まれ変わらなきゃだめだという風に変わってきている」と、加速の必要を認めた。

三井住友銀行の経営方針としては、中堅・中小企業や個人向け融資を積極化させると述べた。消費者金融のプロミスとの提携に関する質問に対しては、「貸し過ぎで多重債務者や個人破産を増やさないよう努める」との条件付きながら、リスク覚悟で消費者ローンに踏み込む姿勢が印象的だった。

ゲスト / Guest

  • 西川善文 / Yoshihumi Nishikawa

    日本 / Japan

    三井住友銀行頭取 / Sumitomo Mitsui Banking Corporation

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