2004年06月02日 00:00 〜 00:00
福川伸次・司法改革国民会議代表「司法制度改革」3

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会見リポート

評価は90点

戸引 和夫 (個人会員(朝日新聞出身))

小泉内閣が進めてきた、一連の司法制度改革は、経済活動を適正に、しかも効率的に運営していく観点から見て90点──福川伸次さんの評価であった。

福川さんからは、戦後の高度経済成長を〝演出〟した通産省で事務次官まで務め上げたキャリア、産業界の第一線(神戸製鋼所副社長、同会長)で仕事をした経験、経済関係の民間シンクタンクにも籍を置いた学識等々に裏打ちされた話をきいた。

日本経済の成熟と経済のグローバル化の急速な進展とを背景に、日本国内での不透明な行政指導による事前調整は、もはや過去のものとなり、法律によるルールを確立することが急務となっていた。福川さんは「社会的市場経済から競争的市場経済への転換」と表現した。

知的財産権の保護は言うに及ばず、企業会計等の分野でも、世界のルールに合わせるように日本国内の法体系を整備しなければならなくなった。さらに、地球環境の保全への配慮、食品・医薬品等の安全性の確保、経済的弱者への支援等も法律面から求められるようになってきた。

国民一人ひとりに関係する「裁判員制度」の新設のように華々しくはなかったが、福川さんは「市場経済の進化に合った種々の改革が進んだ」と評価した。一〇〇点を付けなかった理由として、談合事件に重いペナルティーを科す独占禁止法改正が先送りされたこと、準司法機関としての行政委員会の活用等が触れられなかったことを挙げた。

ゲスト / Guest

  • 福川伸次 / Shinji Fukukawa

    司法改革国民会議代表 / President, National Council for Judicial Reform

研究テーマ:司法制度改革

研究会回数:3

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