2004年05月14日 00:00 〜 00:00
シュロモ・アハロニスキー・イスラエル警察庁長官

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会見リポート

テロから国民の命を守る

矢島 誠司 (産経新聞論説副委員長)

「イスラエルほどテロとの戦いを続けている国はない。私の第一の任務は、いかにテロから国民の命を守るかにある」

テロと戦うイスラエル警察2万5000人の最高責任者は、会見中、この「国民の命を守る」という言葉を何度も口にした。

軍歴15年、警察に移って23年。凄みすら感じさせる「歴戦の士」の風貌だった。

2000年秋から再燃したパレスチナ側との衝突の結果、イスラエル側が受けたテロは1万5000回に上り、死者は1000人、負傷者は9000人を超えたという。

パレスチナ側の犠牲者数はこの数倍に上るとみられるが、平和ボケの日本からは想像を絶するほどの現実だった。

テロは年々、国際ネットワークを広げ、生物・化学兵器、核兵器を使う危険性が高まっている。テロは国をも倒しかねない。「日本も備えが大事」と強調した。

来日の目的は、テロ対策での日本との協力関係の強化。「伝えるべきイスラエル警察の経験は多いが、日本からも学ぶことが多くあることも知った」。例えば、日本警察の技術力、警察と市民との密接な関係だという。

「テロの定義は何か。イスラエル、米国の一般住民への攻撃こそテロではないか」という会場からの質問には、「私は政治家ではないので答える立場にない」とかわし、「私の立場はテロからイスラエル国民の命を守ることだ」と繰り返した。「テロをなくすには相手側に健全で豊かな社会をつくることが大事」とも。

ゲスト / Guest

  • シュロモ・アハロニスキー

    イスラエル警察庁長官

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