2004年04月23日 00:00 〜 00:00
熊岡路矢・日本国際ボランティアセンター代表「イラクにおけるボランティア活動」

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会見リポート

自己判断、自己責任で行動

西内 正彦 (個人会員(共同通信出身))

イラクで日本人人質事件が起き、「自己責任」論が盛んな折だけに、最初から核心をついた話が出るかと思っていた。だが熊岡さんは、一九七〇年代後半からボランティアとしてインドネシア難民問題に取り組み始めた動機や、JVC発足の経過などを淡々とした口調で語り始めた。

JVCのイラクでの活動は、湾岸戦争後の九一年、浄化施設の整備や乳幼児らへの粉ミルクなどの配布活動が最初。二〇〇二年九月に活動を再開、子ども病院支援などを続けていた。

NGOには、情報収集と分析力が重要であることを指摘した。この四月、バグダッド駐在員をヨルダンへ待避させた。その決定は、現地NGOのネットワーク「イラクNGO調整委員会」、日本の外務省、地元医療関係者、運輸会社のドライバーなどからの情報を総合的に判断した結果だと述べた。
退避勧告に関連して、「日本では政府とNGOの関係が成熟していないからかもしれないが」と前置きして、英国政府の勧告対象は旅行客らであることを挙げ、「あえて紛争地で活動するジャーナリスト、NGOは、政府では手に入らない情報収集や活動をしているという違いを認めた上で評価している部分もある」と語った。

批判的な意見の中には、ボランティアやNGOは「いいこと」をしているから助けられて当然と言っているように受け取られているものもある。「そうした議論はNGOの中にはない。ぎりぎりまで自己判断、自己責任で活動している」と明確な立場を表明した。

ゲスト / Guest

  • 熊岡路矢 / Michiya Kumaoka

    日本国際ボランティアセンター代表 / President, Japan International Volunteer Center

研究テーマ:イラクにおけるボランティア活動

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