2004年04月13日 00:00 〜 00:00
レジェップ・タイップ・エルドアン・トルコ首相

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会見リポート

カリスマ的な実力者

小笠原 昂 (共同通信編集委員)

美と愛の象徴アフロディーテ。海の泡から生まれた女神の誕生の地はキプロスのパフォスとされるが、なぜかその島国が気になっていた。イスラエル在勤時、同軍の進撃でベイルートが包囲され、そこから同僚家族が船で脱出した先がラルナカだったこともあるが、その島に1960年代から国連平和維持軍が駐留していたからだ。

トルコ系、ギリシャ系に分断した国家の再統合がなるか。帰趨(きすう)を決する住民投票を前に来日したエルドアン首相には、アナン国連事務総長が示した最終和平案の評価をききたかったが、答えは極めて明快だった。「アナン案はウィン・ウィン・プロポーザル(どちらにも有利な案)。一方が勝った、負けたの問題ではない」。その熱っぽい口調に、トルコ系住民が賛成多数で和平案支持を打ち出すことへの期待を込めていた印象を受けた。

首相就任は昨年三月。カリスマ的な政界実力者で、国民の人気も高いエルドアン氏の満を持しての表舞台登場だった。会見でも、対日関係の一層の強化、イラク問題、パレスチナ問題、日系企業の進出などさまざまな質問に明快な言葉で答え、なぜ国民的人気が高いかの一端をうかがわせた。

来日は、昨年3月の首相就任以降は初めて。その前に、2回来日しているが、そのうちの1回が一昨年6月、サッカーW杯のトルコ・ブラジル戦観戦だった。自らアマチュア選手だった経験を持つ偉丈夫らしい一面だ。

ゲスト / Guest

  • レジェップ・タイップ・エルドアン / Recep Tayyip Erdoğan

    トルコ共和国 / Republic of Turky

    トルコ首相 / Prime Minister

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