2004年03月09日 00:00 〜 00:00
アシュラフ・ガーニ・アフガニスタン財務相

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会見リポート

アフガン支援は将来への貯金

岩田 智雄 (産経新聞外信部)

3月31日からベルリンで開かれるアフガニスタン支援国会議を前に、これまでの日本からの支援に感謝するとともに、今後の継続的な支援を要請するため来日した。「女子の教育、厚生分野という特に2点で日本に感謝したい」という。

旧タリバン政権はかつて、女子に対する教育を厳しく取り締まったが、「暫定政権発足以来、何百万人という女子が学校教育を受けられるようになった。男子一人を教育するということは一人の人間のためだが、女子一人への教育は三世代に影響する」と述べ、日本の援助による女子教育の発展がアフガン再建に大きく貢献していることを強調した。さらに厚生分野では「わが国の出産時の母親の死亡率は世界最悪だった。農村の女性に救いの手を伸ばして、健康を改善するプログラムを実行した三大国のうちの一つが日本だった」と謝意を示した。

アフガニスタンが目指している復興は、国民の七〇%が貧困にあえいでいる実態からの脱却だという。そのためには、現在一人平均百八十㌦の国民所得を十年間で倍増させること、年平均九%の経済成長を達成することを目標にしている。

アフガニスタンで栽培されたケシが麻薬となって世界中に流通しているが、「国民所得が千㌦を超える国家なら麻薬の生産は行われないだろう。アフガンに支援を与えることは慈善事業ではなく、将来への貯金である」と強調した。

ゲスト / Guest

  • アシュラフ・ガーニ / Ashraf Ghani

    アフガニスタン / Afghanistan

    アフガニスタン財務相 / Finance Minister

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