2004年03月09日 00:00 〜 00:00
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会見リポート

独自の朝鮮半島政策を展開

田中 洋之 (毎日新聞外信部(現シドニー支局))

欧州連合(EU)加盟国が5月1日に現在の15カ国から25カ国へと一気に拡大する。「活発で建設的、革新的、またネットワークを作るような能力を発揮できれば、スウェーデンのような小国も、いい影響力を行使できる。バルト海沿岸諸国が会合する場など恒常的な機構も考えている」と自国の果たしうる役割を強調する。

欧州単一通貨ユーロが九九年に導入されてから5年。「景気後退の局面でも通貨の混乱が起きていない。これは欧州で初めて。経済は正しい方向に動いている」とユーロの重要性を訴える。

英国、デンマークと並んでユーロを導入していないスウェーデンは昨年9月、ユーロ参加の是非を問う国民投票を実施したが、反対多数で参加は見送られた。

「ユーロの外にいるより中に入ったほうがいいと訴えたが、『一体どんな得があるのか』という国民の疑問に答えられなかった。EU統合のペースが速すぎるという議論もあった」と振り返る。「我々は遅かれ早かれユーロに入ると思うが、新しい国民投票を2010年より前にすることはない」と早期参加に慎重姿勢を取る。

スウェーデンはソウル、平壌に外交使節を持ち、ユニークな朝鮮半島政策を展開する。「南北朝鮮は第二次大戦後に世界に残された最後の分断。すべての国が責任を負っている」。東西分断の教訓から統合路線を推進する欧州として朝鮮半島和平に必要な支援を惜しまない考えだ。

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